仲間の「今どこ?」を支える技術:Mylers Track 次世代アップデート構想

位置情報共有アプリ Mylers Track は、登山や狩猟、捜索現場など「道なき道」で仲間の安全を守るため、これまでにない大規模な機能拡充とインフラ刷新に挑んでいます。

1. 「デジタル塗り絵」で地図の不安をゼロに

山岳エリアでの最大の不安は「オフラインで地図が見られない」こと。これを根本から解決するのが、新機能「スマート・キャッシュ」です。

  • 直感的な作戦立案: リーダーがWeb管理画面で、タイル状のグリッドを塗り絵のようにタップして活動エリアを指定します。
  • 強制自動ダウンロード: リーダーが指定したエリアの地図データは、参加者のアプリがイベント参加時にバックグラウンドで強制的にダウンロード

2. ハイブリッド・ルートビルダー

「道がある場所」も「道がない場所」も、思いのままにルートを作成・共有できる新システムを開発しました。

  • スマート・マグネット: OpenStreetMap(OSM)のデータを参照し、既存の道路や登山道に吸着(スナップ)して綺麗な線を引くモードです。
  • フリーハンド(タイル中心点連結法): 最大の発明は、道なき道を行くためのロジック。なぞった軌跡の地図タイルの中心点を結ぶことで、サーバー負荷ゼロで獣道や藪漕ぎルートをベクター化します。
  • 3段構えの逸脱警告: 作成されたルートから50m以上離れた場合や、指定エリアから外れた場合に段階的な警告を出し、仲間の迷子を防ぎます。

3. 無限の地図を支える「空」のインフラ

これまで数万枚という膨大な地図タイルの配信は、サーバーのファイル数制限(iNode)との戦いでした。

  • オブジェクトストレージの採用: 地図データを専用のクラウドストレージへ移行し、CDN(配信ネットワーク)と組み合わせることで、イベント開始時の一斉アクセスにも耐えうる強靭な基盤を構築します。
  • 「バッテリー交換スタイル」の配信: タイルを1枚ずつ配るのではなく、イベントごとに地図をパッケージ化した「MBTiles」として一気に配信する方式への切り替えも進めています。

進化は続く

Mylers Trackは、ITリテラシーに関わらず、誰もが「直感的」に安全を手にできる世界を目指しています。「赤いところにいれば安心、青い線をたどれば正解」。そんなシンプルで強力な作戦盤が、まもなく皆さんの手元に届きます。