サーバー移設計画

運用7年目の決断:VPS大移動とアーキテクチャの近代化計画

長年運用してきた「ジョグのねっとわーく」を中心とする自社システム群ですが、この度、インフラ構成の全面刷新とコスト最適化を断行することに決めました。

今回のプロジェクトの核となるのは、「脱・レガシー」と「コスト半減」の両立です。

1. 移設の背景:迫り来るEOLとコストの壁

現在の環境は、保守期限(EOL)を迎えたCentOS 7/8やPHP 7.2が混在しており、セキュリティ・メンテナンスの両面で限界に達していました。また、ConoHa VPSでの運用コストが月額コスト膨らんでいたため、これらを「シン・サーバーVPS」へ集約し、ランニングコストを50%削減することを目指します。

2. 新アーキテクチャ:VPS×共有サーバー×オブジェクトストレージ

単なる箱の入れ替えではなく、用途に応じた「適材適所」のハイブリッド構成へ移行します。

  • VPS 3台体制への集約:
    • 1・2号機でメインシステム(ジョグのねっとわーく)をミラーリング構成。
    • 3号機を「Mylers Track」のAPI/DB専用機として切り出し。
  • ネットワークの独自定義:
    • 標準のローカルネットワーク機能に依存せず、Tailscale等を用いたメッシュVPNを自前構築し、プロバイダに縛られないセキュアな通信を確保します。
  • ストレージと負荷の分散:
    • 静的コンテンツや低負荷サイトは共有サーバーへ、地図タイル配信などはオブジェクトストレージへと逃がし、VPSのinode消費とI/O負荷を抑制します。

3. 直面している技術的課題

移行にあたり、以下の作業がクリティカルパスとなっています。

  • PHP 8.x系への追従: Twig等のテンプレートエンジンを含めたコード修正範囲の特定。
  • 同期エンジンの選定: ミラーリング環境におけるDB・ファイルの整合性をどう担保するか。
  • DBダイエット: 移行をスムーズにするためのデータ整理。

今後の展望

まずは低負荷な企業サイト群の先行移設から着手し、新環境でのVPN疎通テストを進めていきます。